【訃報】麻生美代子が死去！サザエさんのフネの声優など作品まとめ！

先日、国民的アニメ「サザエさん」のフネ役や「和風総本家」のメインナレーションが代表的な声優の麻生美代子さんが死去されました。磯野フネに代表される優しそうな声が印象的な声優さんでした。その他にも実に多くの作品に声で出演されています。

また、若くして亡くなる方が多い声優業界の中でもかなり長生きされた声優さんでもあります。そんな麻生美代子さんには何か年を重ねても現役でいられる秘訣があったのでしょうか。

この記事では麻生美代子さん本人のプロフィールはもちろんのこと麻生美代子さんの死を惜しむ業界の声、ツイッター上の声や麻生美代子さんのこれまでの活躍ぶり、出演作などをお伝えします！

「サザエさん」のフネ役でおなじみの麻生美代子さんは2018年8月25日午前7時23分に亡くなられました。

死因は老衰の為であり、葬儀・告別式は親族のみで行われたそうです。享年92歳とのことで、かなり長生きされております。老衰で亡くなるというのは羨ましくもありますね。

死去する前日に付き添っていた関係者によると、「最後はまるで笑っているかのようだった」そうです。穏やかに逝かれたということで、遺族やファンもその点はなによりだったことと思います。

麻生美代子さんの死去を受けて、2018年3月までナレーションを務めていた「和風総本家」では番組の最後に追悼VTRと追悼メッセージが流れました。

また、磯野フネ役を2015年まで務めた「サザエさん」でも2018年9月9日の放送で追悼テロップが流れました。

本名：左近允美代
生年月日：1926年4月7日
現在（2018年）の年齢：92歳
出身地：東京府北豊島郡滝野川町田端（現在の東京都北区田端）
血液型：A型
活動内容：声優、女優

主なお仕事は声優ですが、学生時代から演劇を志していたこともあって鈴置洋孝の舞台に出演したり、映像・舞台問わず女優としても活躍しておられました。

収録現場では場を取り仕切る事もあり、声優陣のムードメーカー的な存在だった麻生美代子さん。意外なところではスキューバダイビングの趣味をお持ちだったそうです。

2015年には市川準監督の映画「あおげば尊し」にてテリー伊藤さんの母親役を演じたり、鈴置洋孝プロデュースの舞台「すばらしきこの世界」ではソープランドの風俗嬢役として出演されています。女優としてもかなり幅広い役柄を演じていたようです。

数々のアニメでキャラクターの声を演じたことによる功績を讃えられ、第六回声優アワード「功労賞」を2012年に受賞されています。

麻生美代子さんの代表的な役柄が「サザエさん」の磯野フネ役です。「日本の母」のイメージが強いフネさんって一体どんなキャラクターだったのでしょう？

アニメでのフネのキャラクターは努力家で家族みんなに頼りにされる存在とのことです。多くの人がイメージするフネのキャラクターです。

いつも怒鳴ってばかりの波平とは対照的に、フネは怒りを表に出すことがなくほとんど怒らない性格。叱る際も諭すようにして叱るためかえって重みが増すそうです。。。

しかし、マンガの原作では少し違うキャラクターだったようです。

原作でのフネは家族を叱る回数が波平より多く、叱る際もワカメの顔をつねったりカツオの頭を叩いたりと「昔ながら」のしつけをするようなキャラクターだったみたいです！

また「我が家ではスパルタ教育でいきます」と発言したこともあるそうで、アニメでのイメージとは少し異なります。

縁側で波平に蹴りを入れたこともあるとか・・・。原作ではしつけなどに厳しい面が、アニメでは優しい面が強調されていた様です。

アニメでのフネはおしとやかで穏やかなイメージが強いですがそんなフネの声を長年演じてきた麻生美代子さん自身はどんな人物だったのでしょうか。

麻生美代子さんはアニメのフネのキャラクターとかぶる部分もあれば異なる部分もあったようです。

所属事務所の理事長・朝田孝二さんは麻生美代子さんの事を「明るく朗らかでチャーミングなおばあちゃん」と語っており、フネの優しそうな声そのままに朗らかな人物だった事を思わせます。

サザエ役の加藤みどりさんは「何かあればいつも麻生さんに相談していて、頼りになる先輩だった」と語っており、アニメ内で家族に頼られるフネ同様しっかり者だったようです。

鈴置洋孝がプロデュースする舞台「煙が目にしみる」の台本を渡された際の印象が「これのどこが面白いの？」。また、「“煙が目にしみる”が現実になるなんて、冗談きつ過ぎるよ」とも言っていたそうで、思った事をはっきりと語る人物だった事が知られています。

麻生美代子さんは漫画原作のフネのさばさばした部分とアニメのフネの穏やかさ・優しさを持ち合わせた方だったのです。

麻生美代子さんは多趣味でシャンソンや油絵などの芸術的な趣味を持つ傍ら、47歳から80歳までスキューバダイビングを続けたアウトドア派でもあるのです。

また、「徹子の部屋」に出演した際にヘビースモーカーであることを告白していたそうです。なんでも2009年に緊急入院した際はさすがに禁煙していたそうですが、退院後の記者からの質問には「（禁煙するかは）わかりませんね」とキッパリ答えたそうです。この点はフネとは全く異なるワイルドさを感じる部分ですね。

多趣味だった麻生美代子さんはお洒落をする事も大好きだったそうで、フネのように和服ではありませんが高円寺のイタリアモードの老舗ブティックの常連だったそうです。

とても高価な洋服なのでセールの時にまとめ買いしていたそうです。「お洒落しないとすぐに老け込んでしまう」と語っていたそうですので、お洒落に気をつかう事もいつまでも若々しい健康体でいられた理由のひとつなのではないでしょうか。

タラちゃん役の貴家堂子さんは「とても残念で寂しいです。安らかにお眠り下さい・・。」
と語ったそうです。

また、「サザエさん」スタッフ一同は「フネさんは磯野家自慢の母でした。ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。スタッフ一同、これからも麻生さんの思いを大切に繋いでいきたいと思います」と語っています。

麻生美代子さんが長年ナレーションを務めた「和風総本家」のプロデューサーであるテレビ大阪の三好直さんは、「年を重ねてもなお、ひとたびブースに入ると素晴らしい声で読んで頂けるその姿はまさに“職人中の職人”でした」と語っています。

麻生美代子さんは2018年3月22日の放送回で、ナレーションを務めていた「和風総本家」を卒業しました。卒業時なんと91歳！90歳を過ぎても現役バリバリで働いていらっしゃったのです。

そんな麻生美代子さんですが、2015年9月27日放送分をもって「サザエさん」のフネ役を引退されています。

それより以前に、2009年6月に腸閉塞のためフネ役を一週間と和風総本家のナレーションを一ヶ月休んでいます。フネ役の引退は年齢を考慮してのことだったそうです。急に倒れたりした場合の事を考えて判断されたそうで、二代目フネは寺内よりえさんが演じています。

しかしこの期間以外、麻生美代子さんは休んだ事がなく、46年間フネ役を演じ続けたのです。声優アワードの「功労賞」も頷けます。

ナレーションを務めていた「和風総本家」はフネ役降板後も続投し、2017年8月24日放送分からは島本須美さんと分担して続けていました。

フネ役は今から三年程前に降板されていましたが、「和風総本家」は亡くなられる年まで続けていたのですから驚きです。

麻生美代子さんが2018年3月22日をもって「和風総本家」を引退してからは島本須美さんが完全にナレーションを引き継ぎ、同番組に回答者として出演していた前田吟さんがナレーションに加わりました。

麻生美代子さんの綺麗で優しいナレーションが聞けないのは寂しいですが、人気長寿番組なのでこれからも続いていって欲しいものです。

代表作である「サザエさん」のフネ役を降板したあとも続けていた「和風総本家」ですが、2017年頃から同番組のナレーションが聞き取りづらいという声も聞こえていたそうです。

滑舌が悪くナレーションが聞き取りづらくなったのはタバコが原因では？とも言われています。というのも麻生美代子さんはヘビースモーカーを自認していましたので何らかの関係があってもおかしくないかもしれません。

ですが90歳を過ぎても現役で声優業をこなしていた麻生美代子さん。タバコが原因というよりご高齢であった事が滑舌が悪くなった原因としては大きいでしょう。

麻生美代子さんは「サザエさん」に続いて「和風総本家」も今年の3月に降板されておりますが、両番組共にご老体であることを考慮しての引退ですので、「和風総本家」での滑舌の悪さはあまり関係ないと言えるでしょう。

いずれにせよ92歳まで長生きした人はかなりの健康体とも言えますので、その秘訣は前述の多趣味にあるのではないでしょうか。

多くの国民に愛されてきたアニメ「サザエさん」。フネ役の麻生美代子さんの死を悲しむ声が沢山上がりました。

麻生美代子さんの死を惜しむ声が、共演した声優や番組スタッフの他にもツイッター上で沢山見られました。

磯野フネ役に代表される優しい声がもう聞けなくなってしまったのは本当に残念です。

亡くなる年まで現役で声優を続けた麻生美代子さんの活躍を讃える声も沢山見られました。

麻生美代子さんを女性としての大先輩としてその死を悼む声も・・。

麻生美代子さんは代表的なアニメの声の出演の他にも色んな作品に携わっています。その中の代表作をまとめました！

1966年　魔法使いサリー　ウルトラ婆さん役

1969年　サザエさん　磯野フネ役

1974年　アルプスの少女ハイジ　ロッテンマイヤー役

1976年　母をたずねて三千里　カタリナ役

1977年　あらいぐまラスカル　ハケット役

1979年　赤毛のアン　レイチェル・リンド役

1979年　銀河鉄道999　フィメール役

1989年　らんま1/2　コロン役

1994年　幽☆遊☆白書　長老役

2002年　犬夜叉　生麦役

「和風総本家」のメインナレーションと、柴犬の豆助の飼い主である老婆の声でおなじみですが、他にも沢山の出演作があります。


1985年〜2004年　ニュースステーション

1989年〜現在　　ビートたけしのTVタックル

2005年〜2009年　きよしとこの夜

2005年〜2009年　オーラの泉

2008年〜2018年　和風総本家

2012年〜2013年　夫婦でありがとう

1998年　花王「リリーフ はつらつパンツ」

1998年　亀田製菓「おばあちゃんのぽたぽた焼き」

2012年　家庭教師のトライ「教えて！トライさん」　

1991年　らんま1/2 とらわれの花嫁　コロン役

2001年　松本零士999〜Story of Galaxy Express 999〜　トチローの母役

2003年　ゲゲゲの鬼太郎　異聞妖怪奇譚　魔女ロンロン役

2004年　鋼の錬金術師2　赤きエリクシルの悪魔　ピナコ・ロックベル役

2005年　キングダム ハーツⅡ　フローラ役

麻生美代子さんはアニメの他にも数々の洋画・海外ドラマの吹き替えも担当しておりました。


1969年　吸血鬼ドラキュラ　ゲルダ役（オルガ・ディッキー）

1976年　スケアクロウ　ダーリーン役（アイリーン・ブレナン）

1980年　ブルース・ブラザース　ペンギン役（キャスリーン・フリーマン）

1986年　風と共に去りぬ　マミー役（ハティ・マクダニエル）

2002年　ハリーポッターと秘密の部屋　マダム・ポンフリー役（ジェンマ・ジョーンズ）

その他にもたくさんの出演作がありますが、麻生美代子さんの吹き替え出演作は「赤毛のアン」のマリラ・カスバート役が特に有名です。

1990年　赤毛のアン　

1991年　続・赤毛のアン/アンの青春

2003年　赤毛のアン/アンの結婚



有名サスペンス映画やホラー映画にも。


1987年　サイコ2　エマ・スプール医師役（クローディア・ブライアー）

1988年　ポルターガイスト2　タンジーナ役（ゼルダ・ルビンスタイン）

1990年　デューン/砂の惑星　ガイウス・ヘレン・モヒアム役（シアン・フィリップス）

2001年　エクソシスト　メアリー・カラス役（バシリキ・マリアロス）


人気海外ドラマにも声で出演しています。


・ER緊急救命室

・奥様は魔女

・刑事コロンボシリーズ

・名探偵ポワロ

日本を代表する国民的アニメの声優を長年務めた他、沢山のアニメ、ゲーム、吹き替え、ナレーションなどの声の出演によって視聴者に強い印象を与えてきた麻生美代子さん。お茶の間に馴染みのある作品に数多く出演されていたので、声優業界に与えた悲しみも深かったことと思います。

優しく朗らかな声がもう聞けなくなってしまったことは残念ですが、数々の功績を讃え心よりご冥福をお祈りいたします。