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キビヤック味や食べ方は?【イヌイットの海鳥とアザラシの発酵料理】

キビヤックをご存知ですか?アパリアスという鳥をアザラシのお腹に入れて発酵させた料理です。強烈な匂いがあるそうですが、キビヤックは通販で買えるのか?実際に食べてみた日本人についての紹介もあります!キビヤックに似ているコパルヒンについても紹介!

キビヤックってどんな料理?美味しい?

キビヤックは発酵食品!匂いが強烈!

皆さんは、キビヤックをご存知でしょうか?
キビヤックは、食べ物、匂いが強烈な発酵食品、いわゆるゲテモノ料理です。

日本では「もやしもん」と言う漫画の中に登場したようで、そこから知ったと言う人も多いと思います。
この漫画では、実際にキビヤックを作って食べていましたね。

今回は、とにかく衝撃的なキビヤックを紹介していきます。

キビヤックとは伝統的な漬物の一種のこと!

寒い地域の民族伝統料理

キビヤックは、

・アメリカのアラスカ州エスキモー民族
・グリーンランドのカラーリット民族
・カナダのイヌイット民族

が作る伝統的な発酵食品であり、漬物の一種です。

見た目はかなりグロテスクな印象です。

海鳥を発酵させた貴重なビタミン源

北の寒さが過酷な地域で作られた、保存食の意味合いが強いキビヤックは、貴重なビタミン源となっています。

キビヤックは、貴重な時にしか食べない特別な料理で、年に1度のペースで海鳥の発酵が完成します。

キビヤックの材料は海鳥とアザラシ!?

アザラシの中に海鳥を詰め込んで作る

キビヤックの材料ですが、ウミスズメ類の海鳥とアザラシです!

このアザラシですが、アザラシを食べる訳ではありません。
あくまで、海鳥を食べます。

実は、アザラシの中に海鳥を詰め込んで、地中に長期間埋めて作ります。

ウミスズメ類の海鳥は、現地でアパリアスト呼ばれる鳥を使います。
北極圏の空を夏の期間を使って飛んでくるアパリアスの群れを、虫取り網のような道具を使って捕獲するようです。

ちなみに、アザラシではなく、セイウチを使った「コパルヒン」という料理もあります。

キビヤックの作り方とは?

海鳥アパリアスの捕獲・加工

飛来したウミスズメ類の海鳥(アパリアス)の群れを虫取り網のような道具で捕獲するところから始まります。

捕獲したアパリアスを直射日光の当たらない涼しい場所(基本的に寒い地域)に1日ほど放置して冷やします。

アザラシの捕獲・加工

アザラシも捕獲して、腹を裂いて、皮下脂肪だけを残したまま、内臓と肉をすべて取り出します。
※皮下脂肪を残さない方法もあり

アザラシにアパリアスを詰める

袋状のように空になったアザラシの内部にアパリアスをそのままの形で数10~700羽程詰め込みます。

アザラシの袋に空気が残らないようにして、アザラシの腹を縫い合わせます。
空気を抜かないとうまく発酵せず腐ってしまようです。

縫合口には、ハエなどが卵を産み付ける場合があるようで、それを防ぐために、日干ししたアザラシの脂(プヤ)を塗ったりするようです。

アパリアスが詰まったアザラシを土に埋める

このアパリアスを詰め込んだアザラシを地面に掘った穴に埋めていきます。

空気抜きのためと草食動物などに食べられないようにするために、上に石を置いて3ヶ月〜18ヶ月放置、熟成します。

完成したキビヤックの動画

キビヤックの独特な食べ方を知りたい!

アザラシは食べません

土からアザラシを掘り出して、アザラシの中の海鳥(アパリアス)を食べます。
アザラシは、直接食べません。

さらに、このアパリアスの中身を独特の食べ方で食べていくようです。

アパリアスの肛門から直接吸う

アパリアス1羽を直接食べていくのですが、尾羽を取った後、アパリアスの肛門から直接口をつけて、内臓をすすります。
内臓は、ドロドロに発酵していますので、かなり抵抗のある食べ方です。

それだけではなく、アパリアスの残った肉自体も、皮を引き裂きながら食べます。
歯で頭蓋骨を割って、中身の脳味噌も食すようです。

焼いた肉につけて食べる

キビヤックの液状になった内臓を調味料にして、焼いた肉などにつけて食べる方法もあります。
この調理方は、実はかなり相性の良い食べ方です。

というのも、発酵することによって生成されるビタミンが、キビヤックには豊富に含まれています。
本来ビタミンのある生肉を食べなくなると、ビタミン不足になってしまいます。

生肉を食べなくなったことで、得られなくなったビタミンを補うことが、キビヤックで可能になります。

キビヤックの気になる味とは?

冒険家の植村直己さんが大絶賛

植村直己さんは、キビヤックを食べてみたことがある冒険家です。
植村直己さんの食べてみた感想ですが、「植村直己 夢の軌跡」という著書で書かれています。

その本によると、キビヤックは「エスキモーの特別な御馳走」とされています。
また、エスキモーの誰もが大好きで、貴重な食べ物でもあるようです。

エスキモーの誰もが大好きなのはわかりますが、味の方はどうなのでしょうか。

この著書の味について書かれているところを読むと、植村さんが、最初は薄気味悪く、尻込みしたものの、食べてみたら、すぐに大好物になるくらい美味しいようです。

「エスキモーの食生活の中では最高」であり、美味しい理由は「だんだん腐りかけていくと、アザラシの皮下脂肪がアパリアスの体のなかに徐々に溶けこんでいく」からだそうです。

しかし、その分、独特の臭いと味がつくとも言っています。

味についてはいまいちわかりにくいかもしれませんが、アザラシの旨味がアパリリスに染み込んで味がつくようです。
その旨味と引き換えに、強烈独特の臭いがあります。

食べてみた人ならではの感想ですね。

漫画「もやしもん」からわかるキビヤックの味

漫画「もやしもん 1巻」(石川雅之)を参考に、キビヤックの味を説明します。

・ぬかや納豆の雰囲気
・動物性の濃厚で独特な風味
・全ての発酵食が混在しているような味

実際に食べてみた人でないとわからないのですが、イメージができない複雑な味わいなのでしょう。

ちなみに、この「もやしもん 1巻」では、キビヤックを「人類の英知そのもの」と評しています。
作者は実際に食べてみたのか、あるいは食べてみた人の感想を参考にしたのかはわかりません。

キビヤックの臭いは日本のくさやの上って本当!?

キビヤックの臭いは世界で4位!くさやは5位!

キビヤックと同様に、非常強い臭いのする料理はたくさんあります。
その中でも、キビヤックの臭さは4位だそうです。

それでは、におい成分の成分量を単位で示した場合の実数値を紹介します。

1位・・・シュールストレミング(8070)
2位・・・ホンオフェ(6230)
3位・・・エピキュアーチーズ(1870)
4位・・・キビヤック(1370)
5位・・・くさや(1267)

1位の「シュールストレミング」と「キビヤック」には約6倍もの差があることに驚きです。
日本の干し魚の調理法である「くさや」とは数値が近いので参考になると思われます。

「くさや」より少し臭いのが「キビヤック」と言えます。

世界で一番臭い食べ物『シュールストレミング』

ニシン(魚)を塩漬けにして発酵させた発酵食品。
発酵途中のまま、殺菌しないで缶に入れることによって保存食の役割もあります。

ニシンの塩漬けであるシュールストレミングは、発酵から腐敗のレベルに差し掛かるほど、発酵が進んでいます。
あまりに進みすぎた発酵のせいで、とてつもなく強烈な臭いを発します。

その悪臭と刺激臭の強さから、世界でもっとも臭い食べ物で有名です。
食べてみた人の意見は散々なもので、美味しいという感想はあまり聞きません。

発酵食品のコパルヒンがキビヤックに似ている?

コパルヒンはセイウチを使った料理!

キビヤックに似ている料理として、セイウチの肉を使ったコパルヒンがあります。

コパルヒンは、セイウチの肉を剥いだセイウチの皮で肉を巻いた後、これを一ヶ月程度熟成させることでできる発酵料理です。
氷点下で熟成させるので、当然コパルヒンは凍っています。

コパルヒンを食べるときは、凍ったままの固まりを斧で割って、ナイフで薄く切って食べるようです。

コパルヒンの味に関しては、強烈な腐敗臭と舌に強い刺激を感じる難しい味です。
極東のシベリア付近では、人間だけでなく、ソリをひく犬などの貴重な食料にも使われているようです。

キビヤックほど、美味しいという評判のないコパルヒンは、一説にはかなりまずいとも言われています。

キビヤックは日本で食べれる?通販で買える?

日本では食べれなさそう

日本では通販など利用して、キビヤックを食べることは、残念ながらできなさそうです。
通販サイトで検索しても、全く引っかからないのが現状です。
生物ということもあって、通販で売りに出すのがなかなか難しいのでしょうか。

通販でも全く売られていない食べ物ということ点でも、かなり貴重だとわかります。

過去に通販でキビヤックを食べてみた人もいないようなので、現代の日本では、まさに幻の食べ物でしょう。

ちなみに、コパルヒンも通販に売られていないようです。

キビヤックが食べられるお店は東京にある?

キビヤック料理を食べれるお店なし

キビヤック料理を東京で食べれるお店はありません。
日本各地にもキビヤックを扱っているところは無いようです。

通販でも取り扱われてないのに加えて、実店舗でも全く取り扱われていません。

実際にキビヤックを扱っている現地で食べる以外、食べる方法はありません。
もちろん、コパルヒンも食べれないようです。

是非、現地に行った際に、食べてみてはいかがでしょうか。

皆さんもぜひキビヤックを食べてみてください!

一度は食べてみたい

なんとも気になる料理『キビヤック』を紹介しました。
強烈な臭いに関しては、少し気が引けるようですが、味はなんか気になりますよね。

ですが、日本でキビヤック料理を食べる方法がないということで、少し残念ではあります。
実際に食べてみた人の意見を聞くのも難しいようです。

現地に行くしかない分、特別感があって良いのかもしれませんが。

また、通販でも全く取り扱いされていないのは驚きです。
通販を使えば、なんでも食べれると思われるかもしれませんが、キビヤックは通販で販売するのも、無理なようです。

通販で販売できないほど「ヤバイ」ということなのでしょうか。

是非、人生で一度は食べてみてください!
コパルヒンと比較して食べるのもいいかもしれません。

食べてみた人は、周りにどんな味だったか説明してみるのもいいかもしれません。

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