2018/12/27
新川理沙
2018/10/22 更新
「お手数おかけしました」という言葉は、ビジネスやメールにおいても非常にたくさん使われます。みなさんは「お手数おかけしました」という言葉の意味をしっかりと理解して使っていますか?今回の記事では、「お手数おかけしました」の使い方・意味・例文などを徹底解説します!
「お手数おかけしました」という言葉は、ビジネスシーンで時折見かけます。
なんとなく意味は感じ取れますが、皆さんは「お手数おかけしました」の正しい意味をご存知でしょうか?
いざ自分が使おうと思ったとき、正しい意味や使い方がわからなければ心配ですよね。そこで今回は「お手数おかけしました」の正しい意味と使い方を例文を使いながら分かりやすくご紹介していきます。
まずは「お手数おかけしました」の正しい意味についてご紹介します。
「お手数おかけしました」の「お手数」には「動作・作業などにかかる労力の度合い」と意味があります。
「おかけしました」と組み合わせることで「労力をかけさせてしまい申し訳ございません」や「手間をかけて頂きありがとうございました」という、お詫びや感謝の気持ちが込められています。
例文 お手数おかけしました、ありがとうございます。
この例文では「お手数おかけしました」が、「ありがとうございます」と組み合わせることで感謝の意味を伝える言葉として使われています。
相手が自分のために手間をかけてくれたこと、仕事をしてくれたことに対してのお礼の言葉としての意味で使うことができます。
例文 お手数おかけしました、申し訳ございません。
「お手数おかけしました」と「申し訳ございません」を組み合わせることで謝罪の意味を込めた言葉として使われています。
自分の不手際などで相手の手間を増やしてしまった時に使うことで相手に正しく謝罪の意味を伝えることが出来るでしょう。
お詫びの気持ちを伝えたいときに使うことが適切です。
例文 遠いところからお越しいただき、お手数おかけしました。
遠方から来た相手と直接会う際や、会う前に挨拶のメールを送る際にも使うことができます。
自分の気持ちに合わせて「お手数おかけしました」の後に「ありがとうございます」や「申し訳ございません」と言葉を付け加えることで、多くの意味を持つ「お手数おかけしました」はどういった場面にも応用が可能です。
例文 お手数おかけしました、どうかお気を付けてお帰りください。
一緒に仕事をした相手へ労いの気持ちを伝えるためにも「お手数おかけしました」が使用できます。
別れの挨拶の前置きとして使用すれば感謝の気持ちを相手に伝えることができるでしょう。
「お気をつけてお帰りください」だけでは素っ気ないと感じる人はぜひ「お手数おかけしました」とワンクッションおいての挨拶を心掛けるとよいでしょう。
例文
A:お手数おかけしました、ありがとうございました。
B:お役に立てたようで何よりです。
自分より立場の低い相手から「お手数おかけしました」と言われた際、必要以上に謙虚な態度をとると相手を恐縮させてしまうことも考えられます。
自分よりも立場の低い相手からお礼として「お手数おかけしました」と言われた場合、お礼の気持ちを受け止めるように返事をするとよいでしょう。
例文
A:お手数おかけしました、ありがとうございました。
B:お力になれてよかったです。こちらこそお世話になりました。
対等な相手から「お手数おかけしました」と言われた際、相手から感謝・お詫びの気持ちを伝えられたのに謙遜するとどこか素っ気ない印象になってしまうことがあります。
対等な相手の場合からお礼として「お手数おかけしました」と言われた場合、相手の気持ちを受け取ったうえで自分からも感謝の言葉を返すとよいでしょう。
例文
A:お手数おかけしました、ありがとうございました。
B:滅相もありません。こちらこそありがとうございました。
もし目上の方から言われた場合には、謙遜を交えて返事をすれば問題ありません。
自分からもお礼の意味を込めた言葉を加えることで相手を立てつつ、自分の言葉がしっかり受け取られていると相手に伝えることもできるでしょう。
例文
A:お手数おかけしました、申し訳ありませんでした。
B:大丈夫ですから、お気になさらないでください。
自分より立場が対等以下の相手から謝罪として「お手数おかけしました」と言われた場合、謝罪の気持ちを受け止めたことを示しながら、気にしていないという意味の言葉を添えてと伝えるとよいでしょう。
遠慮や謙遜を示すより謝罪の気持ちを受け止められたほうが、相手にも安心してもらうことができます。
例文
A:お手数おかけしました、申し訳ありませんでした。
B:とんでもありません。少しでもお力になれてよかったです。
相手の立場が自分より上の場合、謙遜の意味を込めた返事に加えて、相手のためならば喜んで働きますという意思を示すとよいでしょう。
目上の人であれば特に次の機会で自分がお世話になる可能性も考えられるので、謙虚な態度をとることが大切です。
例文 お手数をおかけします、よろしくお願いします。
「お手数おかけします」の場合は、これから相手に何かをしてもらう・働いてもらう場合に用いるのが自然です。
未来形と覚えておくとわかりやすいでしょう。
また、挨拶のメールに「お手数おかけします」と前置きとして添えるだけで謙虚な姿勢を相手に示すことができます。
例えば相手に仕事を任せたいという内容のメールを送る際に使用すると相手に感謝・お詫び両方の気持ちを伝えられます。
例文 お手数おかけしました、この度は本当にありがとうございました。
「お手数おかけしました」の場合はすでに出来事が終わっている場合に使うほうが自然です。
相手が行った仕事や手間に対しての労いの意味を込めて使われる場合が多いです。
過去形と覚えておくとわかりやすいでしょう。
また、すでに起こってしまった出来事に対して使うほうが自然のため、相手にトラブルの対処をしてもらった際などに多く用いられます。
ただ謝罪・感謝するよりも相手の仕事を認め労っている意味を加えることができるため、より強く謝罪・感謝の気持ちを伝えることができるのです。
例文
私の不手際でお手間をとらせてしまいました。
お手間をとらせてしまい、申し訳ありませんでした。
お手間をとらせてしまいました、ありがとうございました。
「手間」とは仕事を仕上げるのにかかる労力・時間のことです。
自分のために相手が労力・時間を消費してくれたことに対して申し訳ないという気持ちが強い言葉になっています。
「お手数おかけしました」よりも謝罪の気持ちを込めたいときに「お手間をとらせてしまいました」という類語を覚えておくと大変便利です。
また、「お手数おかけしました」同様「お手間をとらせてしまいました」はすでに起こってしまった出来事に対して使うほうが意味としては自然です。こちらも過去形と覚えておくとよいでしょう。
例文
お手を煩わせました、ありがとうございました。
お手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。
お手を煩わせました、心からお詫び申し上げます。
「煩う」とは心配になる・肉体的に苦しむという意味がある言葉です。
つまり意味としては相手に苦労をさせたという印象が強くなります。
そのため「お手数おかけしました」や「お手間をとらせてしまいました」よりもさらに謝罪の意味が強くなります。
「お手間をとらせてしまいました」よりも深刻な場面と思った際に、お詫びの気持ちを込めて使用すると自然な類語です。
例文
この度はご面倒をおかけしました。
ご面倒をおかけしました、ありがとうございました。
ご面倒をおかけしまして、申し訳ありませんでした。
「面倒」とは煩雑でわずらわしいこと、という意味があります。
つまり、「ご面倒をおかけしました」とは、相手にわずらわしく不快な思いをさせてしまったことに対するお詫びの気持ちが強く込められた言葉です。
「お手数おかけしました」よりも謝罪の意味が強いことや、「面倒」という言葉の意味からも相手に余計な仕事をさせてしまった場面などで使うことが適切でしょう。
「お手間をとらせてしまいました」と近い意味の類語であると覚えておくとわかりやすいです。
また、相手から言われた場合には謝罪の意味が込められたことを留意して返答するとよいでしょう。
例文
この度は私の不手際でご迷惑をおかけしました。
ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
ご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。
「迷惑」とは他人のことで煩わしい思いをすることという意味です。
そのため、自分のせいで相手に余計な仕事を増やしてしまった際などに使用すると自然です。
自分が原因で起こったトラブルを相手に対処してもらった場面などで使うことが適切でしょう。
「お手間をとらせてしまいました」や「ご面倒をおかけしました」と近い意味の言葉として覚えておくとよいでしょう。
例文
この度はお世話になりました、ありがとうございました。
お世話になりまして、深く感謝申し上げます。
今回の件では大変お世話になりました。
「世話」とはあれこれと面倒をみることという意味です。
相手が進んで自分のために働いてくれた場合、というイメージで覚えるとわかりやすいでしょう。
「お手数おかけしました」はお詫び・感謝の気持ちの両方を伝えることができますが、「お世話になりました」は感謝の気持ちを伝える場面で使うほうが自然です。
謝罪の意味が強い「お手間をとらせました」や「ご面倒をおかけしました」、「ご迷惑をおかけしました」とは使う場面が異なるので注意するとよいでしょう。
「お手数おかけしました」は英語表現も存在します。
意訳によってさまざまな表現のある「お手数おかけしました」は英語圏の相手とのやりとりでも活躍することでしょう。
続いては「お手数おかけしました」の英語表現を例文と一緒に解説していきます。
英語例文 Thank you for your trouble.
「Thank you for your trouble.」は直訳すれば「お手数おかけしまして、ありがとうございます」という意味になります。
「お手間をかけていただき、ありがとうございました」と意訳することもできます。
相手が手間をかけてくれたことに対して感謝の気持ちを伝える意図が込められた英語です。
「お手数おかけしました」の中でも労いの気持ちが強い言葉として覚えておくとよいでしょう。
英語例文 Thank you for your help.
「Thank you for your help.」は直訳すると「お手数おかけしました、ありがとうございました」という意味の英語です。
「Thank you for your trouble.」の「trouble」を「help」に変えることで、状況の変化に対応した例文です。
「Thank you for your trouble.」は相手にトラブルに対応してもらった場面で使うことが適切です。
「Thank you for your help.」は相手に手伝ってもらった、協力して仕事に臨んだ場面で使うことが適切です。
英語例文 I have inconvenienced you.
「I have inconvenienced you.」は直訳すると「お手間をかけさせてしまいました」という意味の英語です。
挨拶や前置きとしての「お手数おかけしました」という意味で使うことができる言葉です。
連絡が滞ってしまったときなどに使用すると相手にお詫びと感謝の気持ちの両方を伝えることができるでしょう。
英語例文 I'm sorry for causing you trouble.
「I'm sorry for causing you trouble.」は直訳すると「お手数おかけしてしまい、申し訳ございませんでした」という意味の英語です。
「sorry」という英語に「申し訳ございません」という意味があるので、「お手数おかけしました」の英語表現の中でも謝罪の気持ちが強い言葉になります。
英語例文 We are sorry to cause such an inconvenience.
「We are sorry to cause such an inconvenience.」は直訳すると「お手数おかけしましたこと、申し訳ございませんでした」という意味の英語です。
「私たち」という意味の英語である「We」が使われているので、会社を代表する挨拶やメールの際に使うことが適切です。
あるいは「We」を「I」に変えることで一人称の文章に変えれば個人の挨拶やメールでも使用することができるでしょう。
「inconvenience」という英語には不便・困らせるという意味がありますので、トラブルが起こった際の謝罪文として使うことが自然です。
「お手数おかけしました」は接客業・営業職だけでなく他人とコミュニケーションをとる必要がある仕事であれば、多くの場面で使用することができます。
感謝・お詫び両方の意味を持つ言葉だからこそ、さまざまな場面に応用できるのです。
直接相手と対話するときはもちろん、敬語表現である「お手数おかけしました」はメールでも問題なく使用することができます。
また、相手の立場に関係なく使えますから言葉に迷った際に覚えておくととっさに使うことができて便利かと思います。
また、英語圏でも同じ意味の英語を使うことでビジネスシーンにおいてより円滑なコミュニケーションが取れるようになるかと思います。
「お手数おかけしました」の意味や例文、類語を覚えておいて、これからの生活の中で使いこなしていきましょう!
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