2018/12/27
新川理沙
2018/12/25 更新
近年、日本においての共働き夫婦の数は急増しています。共働きですので自由に使えるお金の量は増えると思いますが、収入の内訳や毎月の貯金額などはどのようになっているのでしょうか?今回は、世帯年収の平均や、年収別の家計内訳について解説していきます!
現在、夫婦共働き世帯の数はどちらかが働く片働き世帯の約2倍程だと言われています。それはライフスタイルの変化や労働力需要の増加などが影響しているのでしょう。近年では結婚してからも働くママが増加しています。それに比例し共働き世帯も増えているのでしょう。
共働き世帯であれば勿論、片働きに比べ手取りの給与額も多くなります。共働きであれば世帯年収1000万円の家庭もあるでしょう。しかし、子供がいる家庭では成長するにつれ支出の割合も高くなっていきます。
また、貯蓄額やこれから必要になる費用の割合など、お金の事情は気になる人が多いのではないでしょうか。自分の家庭の世帯年収が高いのか低いのか、それとも平均的なのか知っている方は少ないでしょう。知りたいけれど、他の家庭のお金事情は聞きにくいと感じている人もいるかもしれません。
しかし、自分の家庭の世帯年収が平均よりもどうなのかを知ることは、マネープランを考える上でも非常に大切なのです。また、世帯年収に対する手取り額や子供にかけられる費用の割合、貯蓄額など具体的な数字を得ることは家庭の安心にも繋がるでしょう。
家族がいる方であれば、世帯年収という言葉を耳にしたことがあると思います。世帯年収の世帯は具体的にどの様に決められているのでしょうか。また、世帯年収の年収は手取り額を指しているのか、世帯年収や手取り額とはどの様な意味なのかを説明していきましょう。
世帯年収とは、ひとつの世帯の1年間の合計収入を意味します。ひとつの世帯とは同じ住居に住み、生計を共にしている人の集まりを指します。つまり同じ家に暮らしている家族のことを世帯と言います。その他に、一緒に住んでいる同居人も世帯に含まれることがあります。
また、就職や進学により家族の元を離れ単身で暮らしている家族は、別の世帯に数えられます。この事を踏まえると、世帯年収とは同じ住居、生計を共にしている人全ての合計収入の事を言います。
例えば、世帯主の年収が700万円、同じ住居に住んでいる配偶者の年収が200万円、祖父母が100万円、全て合わせて世帯年収は1000万円となります。そして世帯年収の年収とは手取り額ではなく、社会保険料や年金などを控除する前の総支給額の事を意味します。
世帯年収が何かがわかったところで、具体的な世帯年収の平均金額について見ていきましょう。共働きであれば世帯年収1000万円にも届くと言われていますが、実際の世帯年収の平均は幾らなのでしょうか。
共働き世帯全体の平均金額に加え、世帯主、配偶者とそれぞれの平均金額についても解説していきます。
共働き世帯であれば単純に収入も倍になると考えられています。それ故、年収1000万円も夢ではないと言われるのでしょう。しかし働き方は様々で、夫婦どちらも正社員の場合、正社員とパートで扶養内であるかどうかなどそれぞれの家庭で働き方は異なります。
総務省が実施した家計調査報告によると、夫婦共働き世帯の月平均の金額は60万8491円。年平均は730万1892円となっています。これは全世代の平均であり、最も世帯年収が高いとされるのは50歳代と言われています。
共働きの世帯年収は年代が上がるごとに増加傾向にあり、多ければおよそ10万円程の増加が見込めます。そして夫婦共働きの世帯年収は年々増加傾向にあり、現在だけではなく将来を見据えたライフプランを形成しやすいのです。
また、共働きの世帯年収は夫のみ有業の世帯に比べおよそ100万円程多いとの統計も出ています。それに伴い支出金額の割合も高く、夫のみ有業の世帯に比べ3万円程多いです。世帯年収が多いほど、娯楽やイベントにかけられる金額も比例して増える傾向があります。
共働き夫婦の世帯年収の内訳を見ていきましょう。まずは一家の大黒柱となる世帯主の平均月額は44万1141円。平均年収は529万3692円となっています。世帯主の年収は、共働きの世帯年収のおよそ7割を占めています。
共働き夫婦の世帯年収の配偶者の平均年収について見ていきましょう。配偶者の平均月額は13万7767円。平均年収は179万971円となっています。
配偶者の収入は、その雇用形態も正社員からパートとそれぞれ異なるでしょう。また、世帯主の扶養内での仕事なのかどうかによっても異なるので、収入の金額は幅があると考えられます。
夫婦共働きの世帯年収は、当然それぞれの家庭で異なります。世帯年収は多いに越したことはありませんが、仮に世帯年収が1000万円あるからと言って浪費ばかりしていては生活は成り立ちません。
世帯年収に見合った生活が大切であり、決まった金額での遣り繰りが重要なのです。家賃や光熱費の割合など、毎月の支出を把握することは生活の安定にも繋がります。世帯年収によって家計の内訳金額の割合は異なります。
では、それぞれ世帯年収ごとの家計にかかる平均金額はどの位なのでしょうか。世帯年収別の家計内訳や実際の手取り額を見ていきましょう。
・家賃:約10万円まで
・生活費:約23~25万円
・貯金:月額約6~7万円、貯蓄額はおよそ900万円
年収500万円は、年代別に見ると30歳代の割合が高いと言われています。そして日本の平均年収およそ550万円に最も近い一般的なモデルケースと言えるでしょう。
一般的に家賃の金額は年収の約3割と言われています。世帯年収500万円の場合、手取り金額はおよそ400万円なのでその3割と考えると、約10万円が家賃にかけられる上限金額となります。もし10万円を超えている場合は、見直しが必要でしょう。
世帯年収500万円は、無駄を省くなどすればほぼ平均的な暮らしが出来ると言えるでしょう。但し、住宅の購入を検討していたり子供がいる場合は、これからのマネープランをしっかりと組み立てる事が大切です。
住宅を購入するのであれば、無理のない金額で月々の返済額を設定し、ボーナス時は多目に返済するなどの計画が重要です。また、子供への費用のシュミレーションを行う事も大切です。日々の生活を見直し、節約を心掛け貯蓄に励む事が後々の安心につながるでしょう。
・家賃:約12万円まで
・生活費:約26万円~27万円
・貯金:月額約8~9万円、貯蓄額はおよそ1000万円
年収600万円の手取り額はおよそ460万円となります。年代別に見てみると40代が最も多いとされているでしょう。そして世帯年収600万円の割合は全体の約6%程しかおらず、平均よりやや上の年収となります。
また、共働きで世帯年収600万円に到達するのは、平均金額で見ると20代で可能だと言えます。更に夫婦共に40代になった場合は世帯年収1000万円代となり、片働き世帯と大きな差となるでしょう。
世帯年収600万円は、平均よりややゆとりのある生活が送れると言えるでしょう。しかし子供がいる、いないによってゆとりの感じ方は異なります。教育費用は最低1000万円とも言われ、私立の場合はそれ以上かかると言われています。
世帯年収が600万円だとしても、手取り額を考えれば計画的に貯蓄をしなければなかなかその金額を捻出するのは容易ではないでしょう。子供が小さい内からなるべく早く貯蓄を始め、日々の生活で食費を節約するなど心掛けが大切です。
・家賃:約14万円まで
・生活費:約28万円~30万円
・貯金:月額10万円~11万円、貯蓄額はおよそ1,100万円
年収700万円の手取り額はおよそ560万円となります。世帯年収700万円代の割合は全体の約4%となり、男女別の場合は男性の割合がおよそ6%、女性はおよそ1.3%となります。この割合の数字を見ると、圧倒的に男性の割合が多いということがわかります。
男性は就職し順調にキャリアを積めば年収700万円に到達する年代も速いでしょう。しかし女性の場合は、出産や育児などで一旦仕事から離れる期間が生まれます。その為、男性とのキャリア構築に格差が生じてしまうのです。
世帯年収700万円の割合は少ないと言えるでしょう。しかしその裕福度は子供の有無によって異なります。世帯年収700万円で夫婦2人の場合はかなり裕福な生活が送れますが、子供がいる家庭では当然出費の割合も高くなり、裕福だと実感している家庭は少ないのではないでしょうか。
また、世帯年収700万円に到達する年代は、子供への教育資金がかかる年代ともいえます。教育資金の確保には、夫婦共働きであれば世帯年収のおよそ2割を貯金に回すように心掛けましょう。
・家賃:約16万円まで
・生活費:約31万円~33万円
・貯金:月額12万円~13万円 貯蓄額はおよそ1,400万円
年収800万円の手取り額はおよそ610万円となります。月収にするとおよそ50万円ほどです。世帯年収800万円以上の割合は全体で8~9%となります。年収800万円となると、年収1000万円もあと少しの高給取りと言えるでしょう。
片働きの場合、医師や弁護士、パイロットなど高給取りの職業が多く占めます。しかし夫婦共働きの場合は2人で世帯年収800万円となるので、該当する家庭は多いのではないでしょうか。
年収800万円となると、余裕のある生活を送ることが出来ます。家や車を所有する事もある程度余裕を持って行えるでしょう。また、子供の教育にもお金をかけられる余裕があります。
しかし、逆に「年収800万円は貯金が出来ない」とも言われています。何をするにもある程度の余裕がある為、外食や買い物についお金を掛けてしまう事が原因だとされています。支出にメリハリをつけ、計画的にお金を使う事が大切でしょう。
・家賃:約18万円まで
・生活費:約34万円~36万円
・貯金:月額14万円~15万円 貯蓄額はおよそ1,500万円
年収900万円の手取り額はおよそ670万円~700万円となります。年収900万円を超えると所得税の税率も一段階上がります。世帯年収900万円以上の割合は全体のおよそ4%程となり、かなりの上位層と言えるでしょう。
日本の平均年収のおよそ2倍であり、年収1000万円まであと少しと言える年収です。生活も平均的な暮らしに比べると、かなり裕福と言えるでしょう。生活水準も高く、良質なものを求める傾向があります。
世帯年収900万円以上になると、子供一人当たりの費用はおよそ1,600万円程かかると言われています。この他に、教育費などが加算され合計でおよそ3,000万円程かかる計算になります。収入が高くなるにつれ、子供への費用の割合も高くなるでしょう。
但し、余裕のある暮らしだと財布が緩みがちになるので注意が必要です。日頃からカードでの支払いで支出を把握していなかったり、外食をしがちであったりなど浪費しやすいのです。毎月の支出額や貯蓄額を把握し、先を見据えたマネープランを計画しましょう。
年収1000万円と聞くと、お金持ちをイメージする人は多いのではないでしょうか。また、年収1000万円を一つのラインとして考えている人もいるでしょう。所得が年収1000万円以上の人は、全体のおよそ4%程です。非常に少ないという事がわかります。
また、年収1000万円の手取り額は700万円~800万円程になり、かなり余裕のある暮らしが出来るでしょう。年収1000万円を稼ぐのはどの様な人たちなのでしょうか。今回は、年収1000万円を稼ぐ人を年代別に紹介していきます。
30代で世帯年収が1000万円以上の割合は、およそ5%程です。30代の平均年収が560万円程と言われているので、およそ倍の年収という事がわかります。また、世帯年収ではなく1人で年収が1000万円以上の割合はわずか1%となります。
いかに1000万円以上稼ぐのが難しく、30代ではごく一部だという事がわかるのではないでしょうか。30代で年収1000万円以上を稼ぐには、一部上場の大手企業や外資系企業が一般的でしょう。まだ30代という若さで年収1000万円以上という事は、企業に入るのにも努力が必要なのです。
年齢をある程度重ねて年収1000万円という訳ではないので、企業へ就職した時点で水準が非常に高いと言えます。やはり30代での年収1000万円は非常にハードルが高いのです。もし30代で年収1000万円に到達したいと考えるのであれば、それまでに努力や準備を重ねる必要があります。
また、現在働いている人は好条件の転職先を見つける事が出来れば、年収1000万円に近付く事が可能でしょう。
40代で世帯年収が1000万円以上の割合は、およそ15%です。また、世帯年収ではなく1人で年収1000万円以上を稼いでいる割合はおよそ9%になります。30代に比べ一気に増えた印象です。
40代の平均年収はおよそ690万円となっているので、年収1000万円以上は平均年収よりもまだまだ上だと言えます。近年では40代の平均年収は下がってきており、年収の差が今よりも開く可能性があるでしょう。
年収1000万円以上の40代というのは、企業で課長や部長など管理職に就いている人が多く働き盛りとも言えます。また、医師や公認会計士などは40代で年収1000万円以上は珍しくなく、プロのスポーツ選手でも年収1000万円以上の人はいるでしょう。
早ければ40代前半に役職に就いた場合、その後年収1000万円以上稼ぐ事が期待できるでしょう。逆に40代後半で役職に就けない場合は、その後の昇給は厳しいとも言えます。どちらにせよ40代で年収1000万円以上の人は、30代よりも割合は高いですがごく一部の人だと言えるでしょう。
50代で世帯年収が1000万円以上の割合は、およそ25%です。50代になり一気に数字が跳ね上がります。また、世帯年収ではなく1人で年収1000万円以上稼ぐ人の割合はおよそ22%となり、こちらも30代40代に比べると割合は高いと言えます。
50代の平均年収はおよそ770万円となり、平均年収でも手取り額にゆとりのある金額と言えるでしょう。50代は最も平均年収が高いと言われており、一番の稼ぎ時とも言えます。但しここ近年では、平均年収が低くなってきているのが現状です。
50代で年収1000万円以上稼ぐ職業は、企業の管理職や役職に就いている人が多いでしょう。企業の取締役や役員など重要なポストに就いていれば、それだけ年収も高いのです。また、医師や弁護士などは自分で開業する人も多く、年収1000万円以上も珍しくありません。
但し、年収1000万円以上の割合が50代が一番高いと言っていても、地域によって格差があるのも現実でしょう。大手企業が集まる都心部では、年収1000万円以上の50代は多いと言えますが、地方都市であればそれ程多いとはなりません。
これまで年収1000万円以上の割合などについて見てきましたが、年収1000万円以上稼ぐ人はごく一部の人だという事がわっかたのではないでしょうか。ただ、年収1000万円以上稼ぐ事が絶対無理かと言うと、無理ではありません。
働き方によって年収1000万円以上を実際に稼いでいる人は意外と多いでしょう。では、どの様に年収1000万円を稼ぐのか、その方法を見ていきましょう。
年収1000万円を目指すには、片働きで稼ぐよりも夫婦共働きの方がより年収1000万円に近付く事が出来るでしょう。家族を養う為に世帯主が一人で年収1000万円を稼ぐことは、実際にこれまでの割合の数字を見た通り非常にハードルが高いと言えます。
しかし、夫婦2人の世帯年収で年収1000万円を目指す事は、それほど難しいとはなりません。世帯主の年収が幾らかにもよりますが、そこに配偶者の年収がプラスになるので片働きで年収1000万円を目指すよりもずっと現実的だと言えます。
30代の平均年収はおよそ460万円なので、単純に2倍で考えると年収1000万円も近いと言えるのではないでしょうか。それに加え夫婦共働きで年収1000万円を稼ぐ事は、片働きで年収1000万円稼ぐよりも所得税がお得だという事もわかっています。
共働きは収入が上がるだけではなく、所得税にも影響してくるのです。また、夫婦どちらかが働けない状況になったとしても、収入を確保出来るというメリットもあります。年収は下がりこそしますが、収入があると言うだけで心強いと言えるでしょう。
夫婦共働きで子供の出産や育児を行う場合は、それ以前にしっかりと貯金をしておく事も大切でしょう。また、夫婦で家計をまとめて内訳を把握する事も重要です。夫婦共働きは、様々なライフステージを計画しながら働ける最良の方法と言えるでしょう。
これまで世帯年収の平均や割合などについて見てきましたが、いかがでしたか?自分の家庭がどこに当てはまるのか、この年収だと幾らの手取り額になるのか把握できたのではないでしょうか。まずは世帯年収と実際の手取り額が異なるという事を理解しなければなりません。
勿論、世帯年収が高いほど良いと考えている人は多いでしょう。しかし、世帯年収が高いだけでは、生活に余裕があるとは言えないのです。世帯年収や手取り額が高くても、家計の把握や計画的な貯金を行っていなければ生活はギリギリでしょう。
世帯年収を上げる為に夫婦共働きする事は勿論ですが、ゆとりのある生活を送る為には自分の家庭の世帯年収を把握し、無理のないマネープランや日々の貯金を積み重ねていくことが大切なのです。
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