2018/12/27
新川理沙
2018/11/14 更新
みなさんは「そうなんですね」という相槌はよくしますか?使っている人も多いと思いますが、実はこの日本語はあまり適切な敬語ではありません。場合によっては、相手に悪い印象を与えることも。そこで今回は、「そうなんですね」という言葉について解説します。
普段の会話で「そうなんですね」と相槌をしてしまうことってありますよね。わりと万能な言葉なので口癖のように使ってしまいがちですが、ちょっと待ってください。「そうなんですね」だけを取り上げてみると、違和感がありませんか?
特に「そうなんですね」の(なん)の部分は気になりますよね。では「そうなのですね」にしたらいいのでしょうか。言い換えると文章では違いが目に見えますが、会話だと伝わりませんよね。
「そうなんですね」は果たして正しい言葉の使い方なのでしょうか?正しい日本語や、敬語の使い方として成立するのでしょうか?使われた相手はどんな心理になるのでしょうか?詳しく説明していきます!
相槌で利用される「そうなんですね」は、果たして正しい日本語として成立するのでしょうか。さっそく見ていきましょう!
率直にいうと、「そうなんですね」は日本語として不適切ではありません。ただし、重要なのは不適切ではありませんが、必ずしも適切とはいえないということです。ややこしいですが、グレーゾーンだと思ってください。
「そうなんですね」という相槌をされて、嫌な心理になった人に対しては不適切なのです。逆になんとも思わない人に対しては正しい日本語といえます。
敬語としても「そうなんですね」という言葉は不適切ではありません。しかしながら、こちらもグレーゾーンです。人によっては適切だという人もいるし、不適切だという人もいます。受け取った相手が敬語だと認識しないと、いくら敬っていても気持ちが伝わりませんよね。
「そうなんですね」を使用する場合は、言葉を受け取った人の心理を考えることが大切なのです。
「そうなんですね」を使用することで、相手にどんな印象を与えるのでしょうか。3つ紹介します!
「そうなんですね」は一見、相槌をしているので話を聞いているかのように聞こえますが、使い所を間違えると話を聞いていない印象を与えます。口癖のように「そうですね」と相槌をする人を思い浮かべてください。
話に興味をもってくれているのか気になりますよね。「そうなんですね」を多用するのが後輩だったら何だコイツとイライラしてしまったり、目上の人が多用する人ならば自分の話に自信がなくなってしまったりします。
敬語として使うことのできる便利な言葉だけあって、相槌に使ってしまいがちな言葉だけあって頻繁に使ってしまう人は多いですよね。
だからといって多用してしまうと、相手は話を聞いていないと感じ、悲しくなったり不愉快な心理になる場合があります。また相手の話し途中に「そうなんですね」を食い気味に入れてしまうとなおさら相手の不快感を誘っていしまうので注意してくださいね。
「そうなんですね」は相手を目下に見ているような、軽視した印象を与える場合があります。年配の人に多いのですが、相槌として「そうなんですね」を使うと馬鹿にされた気分になる人がいるのです。本来は相手を敬うはずの敬語が、思わぬ捉え方をされてしまいます。
特に信頼関係を築いていない目上の人相手に、「そうなんですね」は使わないほうが良さそうです。
信頼関係がきちんと築けている人ならば、軽視しているわけではなく会話に興味がなかったり、話を早く終わらせてやりたいことがあるということなど、「そうなんですね」の相槌の意図を察してくれます。もしくは、普段から「そうなんですね」を多用するヤツなんだと理解してくれています。
しかしながら、信頼関係ができていない目上の人相手には上記のことが通用しませんよね。「そうなんですね」が口癖になっている人は違う相槌を口癖にした方がよさそうです。
「そうなんですね」を多用すると信頼を失う場合があります。敬語だし大丈夫だろうと口癖のように「そうなんですね」と相槌をうってしまうことで、意見をしっかり持ってない信用できない人だと思われます。目上の人に対しては特に注意が必要です。
どの相槌に対してもいえることなのですが、相槌だけでは会話は成立しません。「そうなんですね」は受け流しの相槌なので、相手の言葉が一方通行になっています。特に相槌の中でも「そうなんですね」の語尾に注目してください。
(ですね)と会話を自分で受け入れて終了させてしまっていますよね。会話中にこれを多用したら、相手からの信頼は下がる一方です。
相槌は会話に不可欠ですが、口癖のように頻繁に相槌をうつと返ってデメリットです。聞き上手は、相手の話を聞き出すことが上手い人です。相槌のバリエーションを増やして、時には会話を要約して返したり、質問を投げかけることが大切です。
では「そうなんですね」を目上の人に使うと失礼に当たるのでしょうか?敬語として使ったつもりが、失礼になってしまったら悲しいですよね。詳しく説明します!
「そうなんですね」という言葉に抵抗のある人は、若者よりも年配の人です。「そうなんですね」という言葉自体は敬語ですし、日本語的にも問題はありません。しかしながら、聞いた人が失礼だと感じたら、それは失礼にあたるのです。
「そうなんですね」という言葉は、わりと最近になってから使われるようになった言葉です。つまり年配の人ほど馴染みのない言葉なのです。そのため、「そうなんですね」を口癖のように使う人に対して、年配の人は不快感や不愉快な心理を抱いてしまいます。
「そうなんですね」という言葉を使うことは失礼ではありませんが、目上の人の心理を気遣うならば使わない方が良いですね。うっかり「そうなんですね」が出てしまったら、すかさず質問を投げかけてみたり、会話に沿った話題を提供することが吉です。
テレビでアナウンサーが、「そうなんですね」といっている場面をみたことがありませんか?日本語としては正しいけれど、あまり与える印象が良くない「そうですね」をアナウンサーが使っているのはなぜでしょうか?紹介します!
「そうなんですね」はアナウンサーも使っています。しかしながら、アナウンサーが「そうなんですね」を使っていても悪い印象はありませんよね。一体、アナウンサーとの使い方の違いは何でしょうか?
アナウンサーには相手の話を聞き出す心理があると共に、サポートをする役割があります。
アナウンサーはテレビの尺によって言葉選びをしていますよね。ニュースでもバラエティでも、メインで話している人のサポートをしているのです。
そのため、番組が押してしまっていたり、次のコーナーに早く切り替えたい時に「そうなんです」を利用しているのです。日常的に「そうなんですね」を使うときの違いは、口癖のように使っているのではなく、目的のために使用しているというところなのです。
「そうなんですね」を多く使う人には、どんな特徴があるのでしょうか。そのときの心理状態とあわせて紹介します!
「そうなんですね」を多用する人は、話を早く切り上げたいという特徴があります。これは、アナウンサーが使っている意図と同じですね。しかしながらアナウンサーとは違って日常の中で利用していることがポイントです。何かしらの理由で話を早く切り上げたいという心理が働いているのです。
心理行動としては、話している相手に身体や足が向いていないことが確認できると思います。人は関心のあることに身体や足先が向くので、話を切り上げたいと思っているときは足が出口を向いていたりと、自然とそっぽを向きます。
顔と身体の向きの不自然さに気がついたら、相手は話を切り上げたい、早く終わらせたいと思っています。また「そうなんですね」を多用すると、相手との会話は当然盛り上がりませんよね。このことからも会話を楽しんでいないことがわかります。
急いでるときや、苦手な相手と会話する場合にこの心理は働くので、それを察したら速やかに会話を切り上げましょう。中には食い気味で「そうなんですね」を使用している人もいます。この場合はより早急に会話を終えたがっているので注意です。
「そうなんですね」を多用する人は、相手の話に興味がない特徴があります。これは好き嫌いは別として、話の内容に興味がないのです。普段は結構話す相手なのに、今日は「そうなんですね」と相槌が多いなと感じることはありませんか?
その場合は話に興味がないので別の話題を提供した方が良いです。同じ話題を話していても相手はずっと上の空なので、相手の心理を考えて話題を提供すると良いですよ。退屈な話題ほど「そうなんですね」を多様に使ってしまう、という人は多いのです。
「そうなんですね」を多様に利用する人は、自分の時間を優先的に使いたい、自分の時間を大切にしたいという特徴があります。そのため、口癖のように「そうなんですね」を使う傾向があります。無難に敬語で相打ちをうって、早急に話を切り上げたいのです。
もともと人と関わることが苦手だったり、好きではないタイプの人なので、周りにこのような特徴の人がいたら察してあげましょう。このタイプの人と話しを続けようと会話を長引かせると、返って印象が悪くなる可能性があります。
「そうなんですね」を多様に使用することで、話を早く終わらせて、その会話の時間を自分のために使いたいという心理が働いているので、気がついた時点で話を切り上げることが無難です。
「そうなんですね」を多用したいときにはどうしたらいいのでしょうか。「そうなんですね」の代わりに使える言葉を紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!
「そうなんですね」と似た表現で使えるのが、「おっしゃる通りですね」です。これは敬語としても成立するので、目上の人に対しても安心して使用することができます。
「そうなんですね」は会話を受け流している印象を受けますが、「おっしゃる通りですね」は会話をしっかり受け入れている感じがしますよね。
使うときのコツは「おっしゃる通りですね」の後に、会話の内容を要約して伝えることです。こうすることで、より話を聞いてくれている感じがするので相手からの印象が良くなります。
「おっしゃる通りですね。確かに〇〇ですよね」のようにそのまま相手の言葉を要約して引用したり、「おっしゃる通りですね。〇〇ということですよね」と似た表現に置き換えて要約することで、しっかり聞いてくれているなと相手は思います。
「さすがですね」という言葉も使えます。人は褒められたら良い気分になりますよね。「そうなんですね」を使うのなら、「さすがですね」を使った方が相手の気分はよくなります。人は褒めてくれた人のことを良い人だと感じる心理があるので、印象も良くなりますよ。
ほかにも褒める相槌として、「すごいです」や「センスありますね」などがあります。これらを上手く使い分けることで、相槌がマンネリ化しなくていいですよ。
褒める相槌を使うときのコツとしては、より印象を良くするために相手の名前を入れることがポイントです。「さすがですね〇〇さん!」と相手の名前を入れることで、自分のことを褒めてもらったと相手は認識します。
名前を呼び合う間柄は信頼も深まるので、一石二鳥の効果があります。ちょっとした一工夫で好感度の上がり具合が変わってくるので、ぜひ試してみてください。
「知らなかったです」という言葉も使えます。「そうなんですね」という返しは知らなかったという意味が入っていますよね。もし知っている内容だったとしても、知らないふりをしているからこそ「そうなんですね」と返すことができます。
それならば「そうなんですね」と返すよりも、「知らなかったです」と率直な意見として返した方が断然印象は良いです。会話を盛り上げることもできるのでおすすめです。内容を知っている場合にも、場を盛り上げるためには知らないふりをすることも大切です。
より良い使い方としては、リアクション芸人さんをイメージして少し大げさ気味にいいます。「へぇー!知らなかったです」や「えっ!知らなかったです」などワンクッション大げさな表現をしてから、「知らなかったです」をいうことで相手は喜んで話をしてくれます。
実際に自分に対して相手がそのような反応をしてくれたら嬉しくなりますよね。つい詳しいプレゼンをしたくなると思います。相槌一つにしても相手の心理を考えることで会話を円滑にすることができるのです。
いかがでしたか?「そうなんですね」という言葉は、敬語として使っても成立しますが、目上の人に対しては使用しないことが吉のようです。日頃から口癖のように「そうなんですね」を使っている人は注意です。
「そうなんですね」は相手によって使用しても大丈夫なときもありますが、使う相手はしっかり見極めてくださいね。特に信頼関係がまだ築けていない人には要注意です。会話の中で敬語に気をつけていたとしても、「そうなんですね」を多用することで印象が悪くなる恐れがあります。
もし口癖のように「そうなんですね」という言葉を使っている人は、それに変わる言葉を3つ紹介したので、ぜひそちら使ってみてくださいね。目上の人に対して使える、敬語に馴染んだ相槌ができるようになります。
紹介した「おっしゃる通りです」、「さすがです」、「知りませんでした」の3つの言葉以外にも相槌は色々とありますので、自分にあった言葉の返しを探してみてくださいね。始めは言い慣れなくても使い続けることで、自然と口癖のように使えるようになりますよ。
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