2018/12/27
新川理沙
2018/10/27 更新
「吊り橋効果」という言葉をよく聞きますが、実はこの吊り橋効果は、恋愛ではとっても使える科学的にも証明されている心理学テクニックなんです!今回は今すぐ使える吊り橋効果の使い方を紹介します。吊り橋効果を駆使して、意中の相手をゲットしましょう!
今回ご紹介する「吊り橋効果」は、そんな方必見の心理学発祥の非常に面白い心理現象です。じっくり注意深く見てもらうこと、改めて見返してもらうことを相手に促す働きをしてくれます。
関係がまだまだこれからの人も、そこそこ付き合いが長くなってきた人も是非目を通していただければと思います。吊り橋効果を上手に使って、今一度あなたの魅力を見てもらうチャンスを獲得してください!
少々の恐怖感やスリリングな体験が作り出す「吊り橋効果」。
どんな理屈で起こり、どのように恋愛で活用するのか。さらに使用上の注意点など、このトピックでは「吊り橋効果」の全てを順を追ってお伝えします!
吊り橋効果とは一口で言いますと、
「ドキドキしてる時にたまたま一緒にいた人を好きになる」
という奇妙な現象のことを指します。
吊り橋のような高く、ドキドキしてしまうような場所で、たまたま出会った異性を好きになってしまう。
嘘だと思いたくなりますが、「吊り橋効果」は心理学という学問の中で明らかになった、どんな人にも当てはまりうる現象です。
まずはなぜそんな心理になってしまうのかを紐解いていきましょう。
吊り橋効果は、「自己知覚」という一般的な人の認知の仕方を前提にしています。
少々堅い話ですが、まずこちらから見ていきましょう。
私たちの普段の行動は、感情や人格、性格に基づいてなされます。
「食べたい」という感情によって、食事という行動があり、
「優しい」人格が、穏やかな行動を取らせます。
ですが私たちは時々この「感情や性格→行動」と逆なことをする時があります。つまり「行動→感情や性格の認知」です。
行動がまずあって、この行動から自分の感情や性格、人格を確認する。
例えば、「暴飲暴食をしてしまった」という行動から、「自分はイライラしてたんだな」とその時の感情を推測しますよね。
不意にした行動から、自分はこうなんだと認知する。
どなたも経験があると思いますが、この認知の仕方を心理学では「自己知覚」と呼ばれています。
吊り橋効果は、この「自分の行動から、感情や性格などを推測する」自己知覚の延長です。
ある異性を気にして見ていることに自分で気づき、自分はその人のことが好きなんだと思う。
これは恋愛での自己知覚の一例です。
ではもし次のような状況があったら、あなたはどのように自己知覚するでしょうか?
異性が目の前にいて、自分の心拍数が上がっていることに気づいた
「異性を見てドキドキしている、興奮している」という行動からあなたの脳がする感情の推測。
それは当然、「好き」という感情です。
好きな人と会ったり話したりする時、緊張し、胸が高鳴る経験をしてきたことを私たちは覚えています。異性を目前にドキドキしているのは好きだからだ、このように考えるのはごく自然です。
ですが、もしその異性が見ず知らずの人だったとしても、その時自分がドキドキしていたら、自分はその人の事が好きなんだと思ってしまうとしたら、面白いと思いませんか?
見ず知らずの人にでも、ドキドキしているだけで恋をしたと勘違いするかもしれない。
20世紀後半、カナダのある心理学者が吊り橋を使って、そんなことが起こるのかどうか検証しました。いわゆる「吊り橋理論」の実証です。
その心理学者が行った実験は非常にシンプルです。
実験は高さ70mほどの揺れる吊り橋と、揺れない橋の二つの現場で行われました。
この二つの橋を、何も知らない男性被験者たちに渡ってもらい、橋の真ん中で、アンケートを行っている若い女性がその被験者に話しかけます。その際女性は「アンケートの結果に関心があったら電話をかけて」と、電話番号を教えます。
揺れる吊り橋を渡った男性は、女性に出会った時、緊張で心拍数が高いです。かたや、揺れない橋を渡った男性は平常の気分で女性と出会っています。
ドキドキしているかしていないかの違いで、男性の行動にどんな違いがあるのかをみたのがこの実験です。
後日、女性に電話をかけてきた男性の数を集計すると、
吊り橋の場合:18人中9人(50%)
揺れない橋の場合:16人中2人(12.5%)
という結果になりました。
この結果からその心理学者が導いた結論が、いわゆる「吊り橋効果」です。
人は緊張している際に異性に出会った時、その緊張が「好きだ」という恋愛感情によるものだと勘違いをする傾向にある。
かくして、「ドキドキしてる時にたまたま一緒にいた人を好きになる」吊り橋効果が生まれました。
まずは、ほぼ会話が無い間柄でも活用可能な例をご紹介します。
学生や社会人問わず、人前に出て何かをしなければいけない場面は必ずありますよね。そしてそんな場面ではきっと誰もが緊張します。
そういった、何か重要なタスクが控えていてプレッシャーがかかっている場面で、吊り橋効果は活きてきます。
あなたの気になる相手がそんな状況にいる時、是非声をかけてみてください。親しさにもよりますが、「頑張って」「しっかりね」あたりのフランクかつ短めの言葉で十分です。そして長居は無用。相手から立退きます。
声をかけられたからドキドキしたんだと勘違いをし、あなたの存在が一層印象に残ることでしょう。
もし、それなりに会話もする間柄で、共通の趣味があるとしたら、ビッグチャンスかもしれません。
ランニング、スキー・スノーボードなどのスポーツや、スポーツ観戦、ライブ、映画鑑賞に行くことなど、心拍数が上がりドキドキした状況になる趣味。
何かそういったもので話が合うなら、ぜひ誘ってください。
最中、心拍数が上がってきた時に一緒にいるあなたを見て吊り橋効果が起こり得ます。ドキドキしてるのは勿論走ってるから、ホラー映画を観てるから。それを自覚しながら、あなたに好意があるからなのではないかと勘違いするわけです。
以降、よりあなたへの注意が増すことが期待できます。
最後は、それなりに仲が良い〜脈がありそう程度の間柄にある方は意識してプラニングしてみてください。遊園地などに行った時、お化け屋敷やジェットコースターでは吊り橋効果が狙えます。恐怖によって心拍数が上がり、それはあなたが一緒にいるからなんだと勘違いします。
一緒に遊園地にいく間柄で吊り橋効果が起こったら、あなたへの好意はより確信的になるのではないでしょうか。
先ほどは共通の趣味を例にあげました。
ですが実際はお互いの趣味ではないことや今までしたことがあまりないことは多いですし、興味はあるが機会が無いというケースもしばしばあります。
そういった相手にとって身近でなかった不慣れなことも是非誘ってみてください。不慣れなものですから、それほどハードでない内容でもドキドキしてしまいます。
そういった、相手が「不慣れ」であることが予想されることをするのも、吊り橋効果を誘発できるので選択肢として有用です。
人はアルコールによって心拍数が上がり体が火照ります。これを逆手に取り吊り橋効果を狙える可能性があります。サークルや会社の飲み会で、気になる異性が酔っているようでしたら、その人のすぐ近くにいるようにしてください。あなたのことを見て、吊り橋効果が起こり得ます。
とはいえ、酔っているとき自分の心拍数が上がっていることなんて自覚しませんよね?少々期待薄ですがやってみる価値はあります。
インターネット上には吊り橋効果について述べてあるサイトがたくさんありますが、吊り橋効果を履き違えている記述もあります。以下の二点に注意してください。
先述のお酒の席での話のように、相手が心拍数の高さを自覚していなければ吊り橋効果は起こりません。スポーツやホラーなどでの、自覚できるくらいの緊張が必要です。
吊り橋効果で必要な緊張の原因が、あなた自身であることが明確なケースです。あなた自身のセクシーな格好や怖い振る舞いによって相手をドキドキさせる、というものです。
これらの場合はもはやあなた自身にドキドキしていますので、すでに吊り橋効果の前提が崩れています。単純に身体的な魅力に惚れさせなければなりませんので全く吊り橋効果と異なります。
残念なことに、容姿の悪い方は吊り橋効果を得られない、むしろ逆効果という実験結果があります。ホワイトという心理学者によって示されました。
いくらドキドキしていたとしても、隣にいるあなたの容姿が悪かった場合、相手も「この人にドキドキしているわけではない」と勘違いが起きません。吊り橋効果といえど、ある程度のスペックは要求されます。どんな人でも吊り橋効果の恩恵が受けられるわけではないんですね。
吊り橋効果について恋愛を念頭にここまで説明してきましたが、実は吊り橋効果によってもたらされた「ドキドキしているということは好きなんじゃないか」という感情は決して「恋愛感情」と言えるものではないです。
あくまで自己知覚による勘違いです。その好意は虚構であり、一時的です。
また、実験で検証されたとはいえ、被験者の数が非常に少なく、その被験者の国籍、年齢が明かされていないことは問題です。
本来の心理学の実験検証では100人単位の被験者が参加しますし、得られたデータを慎重に分析して理論化します。
このことを加味しますと、この吊り橋効果、あまりに有名ですが鵜呑みや過信はよくありませんね。
ゲインロス効果とはいわゆる「ギャップ萌え」のことです。
相手からの評価が初め低いほうが、後から一気に評価が上がった際により一層好感を与えやすくなるという非常にシンプルなものです。
人は印象でものを考えがちです。強面の男性や、サバサバした女性をどうしても「怖そう」、「冷たそう」と考えてしまいます。ですが、そういう印象を持っている人こそ、一度優しい一面を垣間見ただけで、より好い評価に転じる、「そのギャップに萌える」という現象が起きるわけです。
もし自分にそのような欠点がありましたら、ゲインロス効果で逆に利用するチャンスです。ぜひ活用してみてください。
ウインザー効果とは、第三者からの意見や情報の方が信憑性が高く感じられる現象です。
「うちの魚新鮮で美味しいよ!」というお店の人の声より、口コミサイトでの「あのお店の魚が新鮮でよかった」という記述の方がはるかに信憑があります。
人は物事の利害関係に無い第三者からの意見は真に受けやすい傾向にあります。これを逆手に取れば良いのです。
気になる異性には、自分の良さや自分の魅力を伝えたい。この時、頑張って自分をよく見てもらおうと振る舞うのはもちろん大事なことです。
ですがそれよりも、友人や同僚のような第三者から、あなたの良さが口づてで伝わる方が大いに影響力があるでしょう。
人間関係において、とりわけ関係が始まった初期の頃は「なんかこの人自分と似てる」という"類似性"はそれだけで大きな魅力と感じるものです。
ミラーリングとは、合わせ鏡のように相手をコピーすることです。
ミラーリングによって相手との類似性を演出し、心の距離をグッと縮めることができます。行動に限らず、趣味や仕事、さらには出身地や血液型のような些細なポイントでもいいです。共通点があったらアピールした方が良いでしょう。
自分の印象を一切操作しようとせず、「本当の自分」を見せる人は、当たり障りのない表面的な自分しか見せない人よりも好まれます。
当然ですよね。嘘偽りのない姿を見せている人の方が信用できる。そしてそんな人には、自分の悪いところを見せてもいいかなという気になります。そして自己開示のお返しがなされる。
これが返報性の原理です。
自己開示をして、自己開示され返す。そしてまた自己開示をし、関係の隙間が埋まっていく。この過程で、より良い人間関係は育まれていきます。
返報性の原理は、男女関係なく人間関係の構築には重要です。恋愛というステージでも、より良い、親密な関係を築きたいのであれば是非意識してみてください。
吊り橋効果の根拠と効用、そして注意点をみてきました。
ここまで読んでわかる通り、吊り橋効果は「勘違い」で「好きなのではないか?」と思わせる、一時的に有効なテクニックです。その勘違いはいつまでも続くものではありません。
ですが、それが勘違いだとしても「自分はこの人によってドキドキしたのでは?」と思ったなら、きっと次はしっかりとあなたのことを見ようとするはずです。あのドキドキは本当なのか。あなたのどこにドキドキしたのか。あなたを見る目は必ず変わります。
初めに述べました通り、一見しただけでは分からない魅力を持っている人は多くいます。
そんな人はぜひ、この吊り橋効果、そして最後に挙げました4つのテクニックを上手に駆使して、相手に自分の魅力が伝えるきっかけを獲得して欲しいと思います。
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人は魅力的な人を好きになります。
裏を返せば、魅力があっても分かりづらい人、魅力を見てもらう機会の少ない人はモテません。魅力が表面に出てこない人って多くいますよね。人としてはそれで良いのでしょうが、恋愛というステージでは圧倒的に不利です。